シェーンブルン宮殿の日本庭園

　2000年2月のＮＨＫ［地球に乾杯」という番組で、「シェーンブルン宮殿の日本庭園の謎」とかいうタイトルの放送がありました。1996年にウィーンを訪問したある女性がシェーンブルン宮殿の「アルプスの庭」と呼ばれている、蔦に覆われた庭を見て「日本庭園に違いない」と思ったのが始まりとか。その女性の父親は日本庭園協会長？とかで、そういう素地があったんでしょうね。それで調査が始まり、1999年に復元されました。長野県のOguti庭園という会社が復元工事をされたということです。日本庭園は、温室と動物園の間で、いわゆる枯山水の風景です。（2003年に行きました）。　　　

シェーンブルン宮殿の日本庭園（復旧後） シェーンブルン宮殿

以下、年表で書きます。

1893年 フランツ・フェルドナンド皇太子が日本を３週間訪問し、日本びいきとなる。
1912年 ロンドン庭園博覧会の石庭をシェーンブルン宮殿の庭師（ウムラウフト局長とヘフカ庭師）が視察し、石庭建設を皇太子に提案し許可された。
1913年 庭師ティフィが日本庭園（石庭）を完成。
1914年 皇太子はサラエボで暗殺、第一次大戦勃発。
1916年 フランツ・ヨーゼフ皇帝死去。
1918年 第一時大戦終了・帝国の崩壊。日本とオーストリアは敵国であったこと、そしてハプスブルグ帝国の崩壊と重なって、日本庭園が忘れ去られていったのでしょうか？

ヨーゼフ皇帝の奥様はシシィことエリザベート様で、1898年暗殺されます。悲しい・・・
シシィの息子ルドルフはウィーン郊外で1889年自殺し、映画「うたかたの恋」でこの事件は知られてます。マイヤーリンクの館もずっと前に一度、行きました。この映画については「ウィーン映画のページ」をご覧下さい。
（息子ルドルフの死後、ヨーゼフ皇帝は自分の甥フェルナンドを皇太子にしていた訳です。）
この辺は、ミュージカル「エリザベート」愛好者には、周知の事ですね。ウイーンで上演された「エリザベート」はミュージカルとしても最高でした。そういう訳で、どうせなら、シシィ様もＮＨＫ番組のどこかに名前が出てきて頂きたかったです。・・・まあ、無理な注文ですね（笑）。

番組の主題は「日本庭園とは縁の遠いウィーンに誰がどういう理由で日本庭園を作ったのか？」ということでした。日本へ行った事のあるのは皇太子だけで、石庭を一度視察したのは上司の庭師で、実際に製作した庭師は日本庭園の本だけを頼りに、見様見真似で作ったことが分かったそうです。大変面白い内容でした。

おまけ）　クーデンホーフ光子との関係？？？
地図を見ると、この日本庭園は、クーデンホーフ光子の大邸宅のすぐ近くですね。続きは「クーデンホーフ光子」のページへ

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